東アジアのみに生息する世界的な絶滅危惧種、クロツラヘラサギ。3月、衰弱していたところを保護された1羽が治療を終え、無事に自然へと帰っていきました。
3月29日。野鳥の専門家や獣医師たちによる救出作戦がおこなわれ、捕獲用のネットを使って保護されたのは、絶滅危惧種のクロツラヘラサギ。羽は泥で汚れ、衰弱しきっていました。
足環に「K31(ケーさんじゅういち)」と記された個体は、2019年からほぼ毎年、越冬のため沖縄に飛来していました。しかし、韓国で装着された調査用のGPSハーネスが首にからまり、エサがとれず衰弱していたため、今回の救出作戦に踏み切ったのです。
懸命な治療で自力でエサを食べられるまでに回復し、4月12日、自然へと帰されることになりました。

放鳥場所に選ばれたのは、捕獲現場に近い豊見城市の干潟です。ケージの中でおとなしくしていたK31ですが、干潟に下ろされた途端、動きが活発になります。ケージの扉が開かれると、泥の感触を確かめるように、歩みを進めるK31。
NPO法人どうぶつたちの病院沖縄 長嶺隆 理事長:
「いや良かったですね。本当に、一時危なかったからもう」
長年、野鳥を観察してきた山城正邦さんは、本島南部でケガをする個体が全国的に見ても非常に多いと指摘します。
クロツラヘラサギネットワーク 沖縄山城正邦 代表:
「鳥たちが安心に暮らせる場所を守ることが目的なので、それに向けてやっていきたいと思ってます」
ちょうど今、クロツラヘラサギは繁殖地の韓国を目指し「渡り」を開始する時期です。過酷な経験を乗り越えたK31も、再び海を渡ります。生態調査に欠かせないGPSですが、今回のように命を脅かす危険性も浮き彫りになりました。関係者はすでに国内の研究者と協議し、今後は韓国チームとも連携して、より安全な機材への改善を求めていく方針です。
観察をおこなっている団体によりますと、15日は、那覇空港近くの具志干潟や豊見城市の三角池を元気に移動する様子が確認されたということです。これから九州を経由して韓国へ渡ろうとするクロツラヘラサギのK31、温かく見守りたいですね。














