「厳正な手続き」か「迅速な救済」か 修正案どうなる

TBS報道局社会部 法務・検察担当 重松大輝 記者:
政府が出した原案では「検察の抗告権」が維持される方針だったため、自民党内や議連から「これでは審理の長期化が解消されない」「冤罪救済に逆行する」と強い異論が出ました。

現在、法務省は法案の修正を検討しています。

不服申し立てを全面的に禁止するのではなく、
▼検察側が不服申し立てを検討する際の留意点を明記したり
▼検察側の不服申し立て後の審理期間に制限を設けたりする案を検討しています。

そもそも、法務省が「検察の抗告権」を維持しようとする理由には、「厳正な手続き」を重視しているという点があります。

本来、刑事裁判は、▼地裁、▼高裁、▼最高裁の三審制のもとで3回審理して、厳正な判断が下されます。

もともと逮捕・起訴され最高裁まで争われて判決が確定した事案が、地裁の判断だけでやり直せることになれば、「三審制の重みが軽んじられるのではないか」「本来の刑事裁判とのバランスが崩れるのではないか」と法務省は主張しています。

法務省案に反対する議員は、再審請求をして再審開始が決まっても、それだけで無罪が決まるわけではないと主張しています。

その後に始まる「やり直しの裁判(再審)」でも地裁・高裁・最高裁と3回争い、有罪か無罪かが決まります。このやり直しの裁判でも、検察は改めて有罪立証することができます。

そのため、やり直しの裁判で慎重に審理すれば問題はなく、請求手続きの段階では「迅速な救済」を優先すべきだと主張しています。

「厳正な裁判手続き」を求める法務省側と、「迅速な救済」を求めて反対する議員側がせめぎあっている状況です。