上がる物価、上がらない給料・・・2023年お正月からどんよりした話で暗くなるスタジオ。成田悠輔さんに“明るい話”を求めて、景気回復のカギを聞いてみると、タイトルのような答えが返ってきました。

■2023年 値上げは続く?給料UPは?


日比麻音子キャスター:
今年の日本経済について、第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生さん、経済アナリストの森永康平さんのお二人に聞いてみました。インバウンドは回復、そして、新型コロナ対策の緩和もより一層進むということで、観光業や飲食業など景気は回復するということです。

さらに2022年4月、賃上げ税制が改正されました。これは給料を上げた企業の法人税の優遇措置ということで、これまで大企業は最大20%の控除、中小企業は最大25%ということになっていましたが、これが引き上げられて最大30%・40%と、かなりぐっと引き上がりました。
これらのことを考えて、第一生命経済研究所の熊野さんに伺いました。給料は上がるんでしょうか?熊野さんは「大企業も中小企業も2022年より給料アップが期待できる」のではないかと。

一方で、経済アナリストの森永さんは「賃上げ税制の改正はあるが、利益が出ていない中小零細企業には恩恵がない制度なので、大企業の給料は多少上がる」のではないかという事です。


では今度は物価についてです。2022年は本当に値上げラッシュが続いていましたが、2023年はどうなんでしょうか?
食品については、燃料価格はウクライナ情勢が、まだまだ安定しませんので、高値が続くのではないか。円安に関しても急激に円高に向かう可能性は低く、輸入コストは依然として高いのではないかということで、値上げラッシュは続くということです。
2023年1月~4月にかけては7000以上もの品目が値上げ、ということになっています。

今度は電気料金です。政府は1月から電気料金の支援をします。一方で、電力会社は既に値上げの動きがあり、5社が既に申請をしています。こういったことから、消費生活アドバイザーの和田さんによりますと、電気料金は「政府の支援よりも値上げ幅が大きくなり、電気料金は2022年より高くなる可能性」があると指摘しています。


また、「給料の上昇率」と「物価の上昇」、どちらが大きくなりますか?との質問には、「給料の上昇率よりもやはり物価上昇が大きいのではないか」ということでした。

年明けから気分が下がるようで申し訳ないのですが、念のために最悪のシナリオというのを経済アナリストの森永さんに聞いてみました。最悪のシナリオといたしまして、「ある企業が値下げをすると、無謀な値下げ競争が起きて、企業の利益が圧迫される。結果として給料減額や、リストラなどの可能性も出てくる」ということです。
スタジオの空気がどんよりしてまいりました。

ホラン千秋キャスター:
最高のシナリオも聞いた感じですか?

日比キャスター:
最高のシナリオについては、チェック不足でございます。

井上貴博キャスター:
テレビはリスクヘッジを重視するのでそっちの説明をとなりますが、成田さんはお給料と値上げについては、どんなことを感じますか?


米・イェール大学助教授 成田悠輔氏:
この賃上げ税制に加えて、給料を上げていくような機運は少しずつ出てきてるのかなと思うんです。例えば法人税の増税みたいな話が出てきた。あれも企業にとって痛みは当然あるんですが、賃上げに対するプレッシャーを作り出すっていう側面もあると思うんです。あと最低賃金も昔に比べると大幅に上がりつつあるので、マイナスばかりじゃないのかなという気がします。