「骨の小さなかけらを拾って食べました」

最初に法廷に立ったのは、娘(44)を亡くした小磯洋子さんです。

小磯洋子さんの娘は、小磯さんの家の近くのアパートで夫(55)と子ども(4)と一緒に暮らしていました。

小磯さんは、土石流が流れ込んできたときのことを鮮明に覚えているといいます。

<小磯洋子さん>
「(消防が)逃げてくださいと言って見たら土砂が来ていた。『そこに娘のアパートがあるんですけど、どうなっていますか?』と言ったら『あそこはもうありません』と。そこから地獄です。娘の夫と子どもは間一髪で助かりましたが、娘は土砂に飲まれてしまいました」

「2週間くらい経って、身元の確認をしてほしいと言われて行きました。対面しましたが、真夏の2週間埋まっていた娘はもう痛み始めていて、触ることも抱きしめることもできませんでした」

「朝一で火葬するからと言われて、お花を用意することもできずに火葬されました。骨の小さなかけらを拾って食べました。娘が私のところに帰ってきてくれると思って。親よりも娘が先に逝くというこの世で一番の地獄を味わいました」

「孫は4歳から母親のいない生活を一生送ることになってしまいました。住民の命と財産を守ることが行政の最大の使命であり、そこを怠ったことを認めていただいて、本当のことを話して心からの謝罪を望みます」