貧困対策だけでなく子どもたちの居場所の一つに
会場ではワークショップのほか、各団体が取り組みの内容を発表。このうち、栃木県立小山北桜高校の生活文化科の生徒は、食料環境科の生徒が作った農作物を使ってサラダ巻きなどを提供する子ども食堂を、前年から学校で開催していることを報告した。
それまで食料環境科による農作物は、地元のロータリークラブが買い取って、NPO法人が子ども食堂で使用していた。この取り組みを知った生活文化科の生徒たちが、自分たちでも手作りの料理を子どもたちにふるまいたいと考えて始めた。
この全国大会の直前に開催された学園祭では、学内に4つある全ての科をあげて「子どもにっこり食堂in北桜祭」を展開して、飲食ができる模擬店を子ども食堂にする取り組みも行っていた。
一方、地域の団体と連携して子ども食堂を運営している学生も多い。東京都内の淑徳大学の学生によるプロジェクトは、子ども食堂を立ち上げたいと地域団体から大学に依頼があったことで立ち上がった。大学キャンパスの近くにある公共施設で、地域団体と共同で月1回程度運営されていて、主に地域の人々の寄付で支えられている。
学生たちが運営する場合の特徴は、子どもたちに食事を提供するだけでなく、居場所づくりもあわせて行うことだ。淑徳大学の学生も「学び」と「遊び」をサポートしている。学びでは宿題に関する質問や、受験の相談などを聞く。遊びは全て学生が企画していて、夏祭りやハロウィンを楽しむ場をつくることもある。登壇した原桃加さんと高渕紅羽さんに、取り組みを通じて感じている子ども食堂の理想のあり方を聞いた。
「貧困などの社会的問題が解決できれば、そもそも子ども食堂が必要にならなかったと思うので、子ども食堂がなくなるのが理想型だと思います。でも、まずは広げることが大事なのかなと思っていて、周知されて居場所の選択肢の一つになればいいなと思っています」(原桃加さん)
「貧困児童のためとかひとり親家庭のためみたいな扱いをされるのが、すごく嫌だなと思っています。それだけではなくて地域のコミュニティとして、ボランティアで参加する人たちが自分で価値を見つけて、また帰ってきたいなと思える場所であってほしいですね。本当にいろいろな人の居場所になれたらいいなと思います」(高渕紅羽さん)
原さんと高渕さんは、「名前は子ども食堂になっているけれど、それが地域食堂になればいいよね」「本当は私たちも名前を変えたいんだよね」と、従来までの一面的なイメージをなくすための名称についても考えていた。














