島根県松江市内の中学校の前に並ぶツゲの低木。その中に、動物などをかたどったユニークな植栽が9本あり、いつも生徒を見守っています。誰が何のために作ったものなのでしょうか?

松江市立第二中学校。登校する生徒の近くで、特徴的なものが目に入ります。

三宅純人 記者

「中学校のすぐそばにあるこちらの生垣。かわいらしく剪定されていますね」


動物やハート形に剪定された9つのツゲの植栽。生徒は何か知っているのでしょうか?

生徒は

「ボランティアさんが剪定してくれた植栽です。これは…ウサギですかね?」

「入学した時からあって、ボランティアさんが手入れしてくれるものだと思います。作業しているところを見たことはないです」


学校関係者にも話を聞くと、作ったのはボランティアの女性だと分かりました。

学校を通じ話を聞こうと試みましたが…

松江二中地域学校支援コーディネーター 森脇育子さん

「ボランティアでやっておられるので、取材とかは自分は控えたいということですので、代わって私が登場しました」


代わりに地域と学校のコーディネーターを務める森脇さんに話を聞きました。

松江二中地域学校支援コーディネーター 森脇育子さん

「10年くらい前に当時のここの校長がその方が関わっておられるところで女性がツゲを剪定しておられて、その作品を見て是非二中のツゲもこのようにして欲しいなという依頼をされたと」

この女性は、ノコギリや枝切りばさみで剪定する技術を独学で習得したそうで、松江二中での作業を7年も続けて今の形を完成させました。


生徒たちが、作業の様子をほとんど見たことがない理由も分かりました。

松江二中地域学校支援コーディネーター 森脇育子さん

「生徒が登校した後から、お昼くらいまでのところでされるので、生徒と関わることはほぼないと思います」

その後も人知れずメンテナンスを続けていた女性。作品の見方は生徒の感受性にゆだねているのだと言います。


松江二中地域学校支援コーディネーター 森脇育子さん

「自分は描いて作品を作るけれども、どんな動物に見えるかは見る人が自分なりに思ってくださっていいですよってボランティアさんは言ってるので、私たちがクマに見えればクマで良いんじゃないですかね」

生徒は

「この学校で生活していくにつれて、どんどん愛着が深まってきて、毎日見るのが楽しくなってきました」


こうして学校にとって欠かせないシンボルとなった植栽ですが、2022年、思わぬ出来事が起きました。