日本でも介護をめぐる課題が議論されていますが、日本と同じ長寿大国のオーストラリアでは、介護士の報酬は高く、介護サービスも充実していると言います。その実態を取材しました。
岸田文雄総理
「看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくことです」
去年10月、政権が発足してはじめての所信表明演説で、介護士らの所得引き上げを表明した岸田総理。しかし、大きな引き上げは無く、日本の介護職の待遇改善は課題となったままです。
一方、日本と並び世界有数の長寿大国であるオーストラリア。介護をめぐる環境はというと…
記者
「こちらはパース市内にある在宅介護支援法人のオフィスです。こちらでは、およそ100人のスタッフが働いているといいます」
西オーストラリア州のパース。在宅介護を受けている高齢者の交流会が開かれていました。
在宅介護サービス利用者
「私がここのボスです」
日本のような社会保険制度がないオーストラリアでは、介護などの福祉サービスは「一般税」を財源として提供されています。日本と同じ「中負担・中福祉」国家のオーストラリアですが、高齢者にとって住みやすい環境が整備されているといいます。
介護職員の報酬は、平均時給で日本円にして3000円を超えるとのデータもあります。物価が上がっていることもあり最低賃金はおよそ2000円ですが、それを1000円以上、上回ります。
また、オーストラリアは多文化社会であるため、英語以外の言語でのサービス提供も不可欠となっています。
在宅介護支援センター「アンブレラ」 カレン・クイグレイ代表
「現在、57の言語圏からの顧客とスタッフがいます」
およそ20年前からオーストラリアに住む本村繁幸さん(80)。去年、自宅で倒れて頭を強く打ち、右手と右足に障がいが残りました。
本村繁幸さん
「右手右足が動かないんです。みなさん親切で感謝しています」
今は、母国語の日本語で在宅介護のサービスを受けています。
日本語の在宅介護支援サービスを提供するホーキンス明子さんは、母国語での介護サービス提供の必要性を強調します。
在宅介護支援会社「ラポート」 ホーキンス明子代表
「認知症が入ってくると、どうしても母国語に戻ってしまう傾向があるので、自分の言葉でサポートを受けたい需要がとても多いです」
介護職の報酬が高く、サービスも充実している長寿大国のオーストラリア。超高齢社会の日本は介護をめぐる課題に、どう対応していくのでしょうか。
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