被災地の今を見つめるシリーズ「つなぐ、つながる」です。東日本大震災から15年、当時中学生、岩手県で震災を経験し、岩手県で現在は教員となって「教訓のバトン」を子どもたちにつなぐ女性がいます。
岩手県山田町の小学校で1年生に九九や音読を教える畠山夏未さん(28)。この日は一年に一度の特別な授業の日です。
震災について学び、防災について考える授業。畠山さんは教員になってから毎年、この授業を続けています。
当時被災した一人として、その教訓を子どもたちに伝える責任があると考えているからです。
畠山夏未さん
「砂煙みたいなものをすごい見ていて、引き波が一緒に砂も持っていって、砂煙が巻き上がってみたいな記憶がある」
山田町の隣、大槌町の出身の畠山さんは震災発生当時、13歳の中学生でした。あの日、家で大きな揺れを感じた直後に、祖母とペットの犬と町の中心部の高台へと走った畠山さん。海の近くにあった家は基礎ごと流され、思い出の詰まったふるさとの風景は一瞬で失われました。
当時の経験を子どもたちに伝えるため畠山さんが用意したのは手作りの「紙芝居」。
畠山夏未さん
「悲しい、さみしい気持ちが先生に教えてくれたことがたくさんあります。1つ目、命はとても大切だということ。2つ目、避難訓練で練習したことは、いざという時に本当に役に立つこと。3つ目、今みんなが学校に笑顔でいることが幸せだということ。みんなの笑顔を見ると、生きていてよかったなと思います」
畠山さんの特別な授業を受けた子どもたちは…
「避難訓練を真剣にやる」
「隣の人たちと逃げる。高いところに逃げる」
畠山さんの経験と命を守るための教訓は、しっかりと子どもたちに受け継がれています。
畠山夏未さん
「どんどん震災を経験していない子どもたち、震災を知らない子どもたちが生まれてくるので、負けずに何があっても強くたくましく生きていくんだよというのは伝えていきたいです」
震災からまもなく15年。記憶の風化が課題となる中、あの日の経験がきっかけで教員となった畠山さんは、これからも子どもたちへ教訓のバトンをつなぎます。
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