■第91回全日本フィギュアスケート選手権大会(23日 大阪・東和薬品RACTABドーム)
全日本フィギュアは男子シングルのショートプログラム(SP)が行われ、グランプリファイナル(10日・イタリア)を制した宇野昌磨(24)がISU(国際スケート連盟)非公認ながら今季ベスト(99.99)を上回る100.45点をマークし首位に立った。今季GPシリーズ・イギリス大会4位の島田高志郎(21)が2位に入り、GPファイナル銀メダルの山本草太(22)が3位、今季初戦で北京五輪銀メダルの鍵山優真(19)は6位だった。
21番滑走で登場した宇野は、冒頭の4回転フリップは高さのあるジャンプで出来栄え点(GOE)で3点以上の加点がついた。続く4回転トウループからの連続ジャンプ、後半のトリプルアクセルを決めると、終盤は滑らかなステップ、コンビネーションスピンで魅了。滑り切った後は両手を合わせ謝るようなしぐさを見せたが、笑顔で声援に応えた。
演技後、宇野は「最高のコンディションでのショートの時と比べると、まだできなかったことはありますが、今できる最大限の演技はできたのかなと。最後のシットスピンは今季ずっとレベル3だったので4を取れるようにとコーチと話していたんですが、数を間違えてしまいました。次はフリーにむけてしっかりやりたい。ファイナル同様、その時のコンディションに合わせたフリーができれば」と振り返った。
宇野は今年は3月の世界選手権で初の金メダルに輝き、GPファイナルは5度目の出場で初の頂点に輝いた。全日本は16年から4連覇を果たしており、20年・21年は羽生結弦に敗れ2位だったが、今大会3年ぶり5度目の優勝を狙う。
2位に入った島田は29番滑走で登場。冒頭の4回転サルコウ、4回転トウループからの連続ジャンプはクリーンに決めることはできなかったが、後半のトリプルアクセルは着氷。キスアンドクライで得点が出ると笑顔をみせた。SPを終え「4回転2本できて良かった。周りのことは気にせず、自分に打ち勝つことで精一杯だった」と振り返った。
全日本で初の表彰台を狙う山本は23番滑走で登場。冒頭の4回転-3回転の連続トウループを決めると、4回転サルコウは2回転に。後半のトリプルアクセルはクリーンに決めると、ビートルズの「イエスタデイ」の世界観に合わせスケール感のあるステップ、スピンを披露。演技後は少し悔しそうな表情を見せ、得点は86.89点と伸びず「素直に悔しいです。本番のサルコウのミスはこっちにきてから練習中にも数回あった。その悪い感覚を体が覚えてしまった」と悔やんだ。
左足首の怪我から9か月ぶりの復帰戦となった鍵山は最終の30番滑走。冒頭の4回転サルコウはGOEで3点以上の加点がついたが、3回転フリップ-ループの連続ジャンプでは後半にバランスを崩してしまった。さらに3本目のトリプルアクセルは抜けてしまい1回転に。SPは6位スタートとなったが「久々にお客さんの前で滑れて楽しかった。ミスとかよりそっちの方が大きい。フリーは気になった部分を確認して自信を持っていきたい」と意気込んだ。
男子フリーは25日に行われ、SP上位24人で争われる。
【男子シングル・ショート結果】
1位 宇野昌磨 100.45点
2位 島田高志郎 87.69点
3位 山本草太 86.89点
4位 友野一希 85.43点
5位 佐藤駿 81.78点
6位 鍵山優真 81.39点














