出生数過去最少も東京では増加 周辺自治体の住民は

藤森祥平キャスター:
東京都の手厚い支援を見ていきます。

【東京都の主な子育て支援】
▼無償化
・保育料
・高校

▼一部助成
・不妊治療費

▼一律給付
・018サポート 月額5000円支給
・赤ちゃんファーストギフト10万円相当

東京都は2026年度の当初予算案に「チルドレンファースト予算」を2.2兆円計上しています。これは前年度から2000億円積み増しされています。

神奈川県の2026年度当初予算案の一般会計全体は2兆3700億円。ほぼ一緒です。

小川彩佳キャスター:
豊富な財源があるからこそ、できる支援ですね。

教育経済学者 中室牧子さん:
子育てや教育に地方自治体や政府がお金をつけてくれるのは望ましいことだと思いますが、東京都の税収は法人税が多いんです。法人税は景気に非常に大きく左右されます。

今は税収が多いから大きくお金をつけられるが、税収が減ったら少なくなる。子育ては0歳から20歳までずっと継続して育てていかなければならないので、保護者の方からすると安定的にお金をつけてもらえることが重要。持続可能性も見ていく必要があると思います。

藤森キャスター:
一方、周辺の自治体の出生数は下がり続けています。東京都と比べて格差を感じている人たちの声を聞きました。

川崎市民
「特に一番、高校(無償化)のところがこの子たちが大きくなると気になって。産むときも(東京の)友達はいろいろ支援があった」

「いろんなイベント事とかあっても、結局、東京に行ってしまうことが多いので便利だなとは思います」

「東京都民にはなってみたいなと思うんですけど、家賃が高いなってイメージが根強い。(支援を)もっと増やして欲しいな」

小川キャスター:
結局、産み育てたいという思いと、その予定があった方たちが東京に移動しただけのようにも感じてしまいます。全国で見ると出生数は減り続けているので、東京だけ増えることが喜ばしいかというと、そうではないですよね。

中室牧子さん:
元々子供を持とうと思っていた人が東京に流入してるだけではないかというふうに見られますね。なのでやっぱり、全国でどうなってるかが大事ですし、もう一つは長期的なトレンドがどうなっているかも非常に重要だと思います。

過去の経済学の研究によると、例えば育休の給付や児童手当といった現金給付が、出生数に与える影響はあまり大きくないと言われています。 

10万円、20万円(の給付)で子供を産もうと思う人はあまり多くないが、1000万円のような金額になると「もう1人産もう」となる。もし現金給付といった手当で少子化を改善するなら、相当大きな額の支出をしないと出生数の改善には繋がらないのではないかと思う。

一方で、子供を育てるには「時間」や「体力」がどうしても必要になります。これはなかなかお金で買えない。やはり保育所をきちんと整備するとか、男性の育休をきちんと取ってもらえるようにするとか、そういったことの方が出生数を改善する効果が大きいという研究もある。こうした支援もしっかりやっていく必要があると思う。

小川キャスター:
支援の格差を国がどう見るか。そのメッセージをもっと聞きたいなと感じます。

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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」