「書道の先生」の道を諦めることを悩んだことも
仕事が終わるのは、午後4時半ごろ。帰宅後は、どんなに疲れていても毎日必ず机に向かうようにしているといいます。
(梨乃さん)
「(毎日)座ることを大事にしています。この席に【画像⑩】。この席に座ってしまえば、集中できるので」
誰にも負けないと語る「書道への情熱」その背景にあるのは、筆を持つことを諦めかけた過去の挫折でした。
梨乃さんが習字教室に通い始めたのは、5歳のとき。小学生のころから、書の腕前を競う大会では賞の常連でした。
高校は、部活動で書道パフォーマンスができる地元の学校に進学【画像⑪】。その面白さに魅了され、「学校の書道の先生になりたい」と、専門に学べる国立大学を目指します。
しかし、受験に失敗。第二志望だった、書道学科のある広島の私立大学に入学したものの、環境が合わずこちらも半年で中退しました。
(梨乃さん)
「何だろうな…自分が大学を途中でやめるとは思っていなかったし、『人生終わったな』と思った。就職先もないだろうし。習字自体をやめた気分。気分的にはそんな感じになっちゃって…。どうしよう、みたいな…」
「書道の先生」の道を諦めるべきか。悩んでいた梨乃さんを励ましたのは、両親でした。
(梨乃さん)
「(両親に)『いや、終わったわけじゃなくて、別に今から始めたらいいんじゃない?』『書道だけじゃなくていろんなことに挑戦してみたら?』って言われて。それまでずっと私は『書道しかない』って思っていたので」
自分の生きる道を、見つめ直しました。両親に背中を押され、地元・岡山の大学に改めて入学。映像編集のアルバイトやリリックビデオの制作など、興味がわいたものに次々に挑戦したといいます【画像⑬】。
そうして視野を広げて気付いたのは、自分の中に眠っていた「書道」への情熱と、新たな夢。習字教室を開ける資格「師範」を取得し、書道家になる決意を固めたのです。
(梨乃さん)
「自分の字で誰かに感動を届けたいなと思い出して。『自分の書を仕事にしたい』っていう感じ」














