「インクルーシブデザイン(Inclusive design)」と「ユニバーサルデザイン」の違いとは?
難病や障がいのある当事者と企業の開発担当者が一緒に「インクルーシブデザイン」について考えるワークショップ「つくるをひらく」を取材しました。
「インクルーシブデザイン(Inclusive design)」と「ユニバーサルデザイン」。どちらも「誰もが使いやすいデザインを作る」という目的は同じですが、作る過程に違いがあります。
「ユニバーサルデザイン」はデザイナーがデザインするもので、「インクルーシブデザイン」は高齢者や障がい者、外国人など、従来のデザインで利用者像に認識されていなかった人々を初期段階から巻き込み、できるだけ多くの人が利用できるよう"一緒に"デザインを作っていく手法です。
難病や障がいに対する偏見の解消へ。プロジェクト立ち上げの契機
今回のワークショップを主催したのは非営利型一般社団法人エニワンプロジェクトです。
メンバー3人全員が、指定難病である「多発性硬化症」の当事者です。
非営利型一般社団法人エニワンプロジェクト代表理事 狐崎友希さん
「私も杖を使っていたときに、いろいろな偏見の目があり、仕事を辞めざるを得なくなりました。また、杖をついて面接に行ったら『それいつ治りますか?』と聞かれて、この会社は杖をついていたら駄目なんだと思いました。
仲間からも、障がい者雇用になったけど、全然配慮がないとか、逆に簡単なコピーとかシュレッダーとか、そういう仕事しか任せられないという声も聞きました。
本当はバリバリ働いていた方とかもたくさんいるので、もうちょっと理解があってもいいなって思っています」
狐崎さんは元々、患者会で同じ病気の人たちと交流する活動をしていたのですが、もっと他の病気の人たちとも交流して、活動の輪を広げていきたいという思いで、エニワンプロジェクトを立ち上げたと話します。
当事者とメーカー担当者の話し合いで挙がる多様なアイデア。
ワークショップでは様々な案が挙がりました。
●関節炎でボタンを留めるのが大変な人向けに、ボタンを大きめにする。
●皮膚疾患があって、フケなどが出やすい人向けに服の肩あたりをサラサラした
生地で滑りやすくして、フケが服から落ちやすくする。
●バッグのポケットをカスタマイズできるようにして、それぞれの用途に応じて、配置を変えたり、ファスナーの閉め方を変えたりできるようにする
・・・などの案が挙がっていました。

ワークショップに参加していた当事者の声
「今回、別の疾患の方もいて、実は悩みが似ていたりとか、こういうアイデアを入れたら、さらにいいものができるのでは、などと話し合えて、多角的にいろんな話ができました」
「私自身、小売業をやっていながら、当事者でもあります。当事者の視点が入ることは開発の段階でも大事なことと思っているので、試みとして面白い。メーカーさんなどが興味を持っていただければありがたい」
「貴重な意見をいただけたり、自分が今まで培ってきた感覚技術とか、デザインに関することとかも取り入れてもらえたりとかもしました。来てすごく意味があったなと実感しています」














