可視化の必要性。なぜ街を歩くのか?
当日は、「人権」「差別」「可視化」などのテーマに分け、 学校や病院、トイレなどで強いられた当事者が感じる課題などが伝えられました。 「可視化」のテーマの中では、各地で行われているプライドパレードを挙げ、 なぜ街を歩くのか、なぜ可視化が必要なのか話されました。
東京大学 大学院 特任研究員でトランスジェンダー当事者団体「Tネット」アドバイザーの 高井ゆと里さん
「なぜ可視化が必要か。基本的に『ないこと』にされているからです。そもそもセクシュアルマイノリティがいないことにする社会があることによって、当事者たちはいろんなところで孤立したり排除されたり、差別や暴力を受けたりしているからです。『いない前提の社会』から始まって、それが行動と制度、両面から差別を生み出して、結果としていろいろなものを剥奪されていることによって差別は温存してしまう。絶望的なループがここにある」
高井さんによるとLGBTQ+等の人は少なく見積もっても人口の4%ぐらいいて、それにも関わらず、普段生活していて、関わる人、出会う人の4%がLGBTの人だと 多くの人は思っていない。
だからこそ「ここにいるんだよ」と可視化が必要だと話します。
高井さんは、LGBTについて研修を受けたり、学んだり、教えたりする機会が、この社会で増えていると感じる一方で、抜け落ちている課題もあると話します。
それは、自分たちが生きる環境="持ち場"に、当事者が「いる」ということの認識だといいます。
“持ち場”の現状をとらえ、本義を再確認することの大切さ
東京大学大学院 特任研究員 トランスジェンダー当事者団体「Tネット」アドバイザーの 高井ゆと里さん
「LGBTQに関して、排除が起きてそうだ、差別がありそうだと思ったときに『何から始めてほしいか』っていうと、その“持ち場”の現状を捉え、かつ、持ち場の“本義”を再確認することです。
例えば学校の先生であれば、学校や教室が持ち場です。学校や教室のその本義は何かというと、全ての子供の学びを守ることです。
LGBTの話からしようとすると、いろんな考え方の人がいるんでと言って話がそこで止まってしまうのですが、本義さえ共有されていれば、一緒に話を進めることができます。
法律を変えることだけが人権擁護ではありません。
いろいろな持ち場で、いろいろな変革が必要です」
当日の参加者は当事者だけではありません。
「自分が所属しているコミュニティでは LGBTQ+等について知る機会がない状況を変えたい」という思いで参加した人や、大学生活の中で感じる苦悩に共感する人などがいました。
また高井さんの「持ち場の本義を再確認すること」、「LGBTの話から始めないこと」などの発言に、 ハッとさせられたと話す参加者も多くいました。
参加者の声(当事者大学生)
「あまりにも共感したのはやはりトイレの話で、男女別しかないときは終わった…となります。それを避けるために飲食店などお店に電話してから利用します。そもそも公式サイトに書いていればいいのになど、そういう声の届け方もまだ模索中でわからないですが」
参加者の声(30代女性)
「当事者ではないので、当事者視点の問題提起とか話すことはできないんですが、どういうところから考えればいいのかという根本的に触れられたというのが大きなスタート地点になれたかなと思いました」

「Queer Space Tokyo」は誰でも立ち寄れるオープンなコミュニティスペースです。
詳しくは、「Queer Space Tokyo」のホームページをご覧ください。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当 : TBSラジオキャスター久保絵理紗 )














