今年1年の福島県内の出来事を振り返る「2022の記憶 そして未来へ」。
2回目は「復興と政治」です。
震災から11年経った今年は、福島第一原発の処理水をめぐり大きな動きがあったほか、参院選や知事選で選択を迫られた1年でもありました。
■避難指示解除と町民の帰還
(6月30日)
町のスピーカー「特定復興再生拠点区域の避難指示が解除されました」
震災と原発事故から11年。
今年6月、大熊町の帰還困難区域のうち、復興再生拠点区域の避難指示が解除されました。

(8月30日)
水津邦治アナウンサー「震災から11年5か月、双葉町の希望の扉が今開きました」
2か月後には、全ての住民の避難が続いていた双葉町でも町民の帰還が始まり、止まっていた“時間”が動き始めました。

セレモニーに駆け付けた双葉町民「農地を再生しようということに携わっていますので、これで帰れるようになった人と帰れない人の分断がまた始まるんですね」
■第一原発 処理水海洋放出「事前了解」
福島第一原発の処理水をめぐり、大きな動きも・・・
井上和之記者「こちらは深さ16mの場所です。現在直径3mほどの地下トンネルを掘り進めていて、今後、あちらの機械で沖合1キロの海底につなげる計画です」

政府と東京電力は、福島第一原発で溜まり続ける処理水について、基準値以下に薄め、来年春ごろ海底トンネルを通じて海に流す計画を進めています。

8月には、内堀知事と双葉、大熊の両町長が東京電力に対して海洋放出のための設備の着工を了解しました。

内堀知事「東電が計画している設備等について、必要な安全対策が講じられているかどうかを確認するもの」
しかし、工事は始まったものの漁業者を中心に関係者の理解は、得られていないのが現状です。
県漁連・野崎哲会長「非常に我々の主張が受け入れられなかったというのは残念だと思っています。ただ、立地2町と県との判断は様々な手続きを受けた上でのご判断だと思うので、その判断そのものについては今後説明を受けたいと思います」

政府と東京電力は“合意なき放出はしない”としていて、関係者の理解が深まるかは依然、不透明なままです。

















