麩はナルトの代わりだった⁉ラーメン研究家にきいてみる


麩がのったラーメンは、全国でも食べられているのでしょうか?全国2000軒以上のラーメン店を食べ歩き、様々なメディアでラーメン情報を発信しているラーメン研究家の石山勇人さんに、麩とラーメンの関係についてききました。

ラーメン研究家 石山勇人さん

「ラーメンに麩を入れているのは、私が全国食べ歩いた中では秋田と青森あたりでしか見ないですよね」という石山さん。「明確な文献があるわけではないのですが」と前置きしながらも続けます。「ラーメン=ナルトというのは御存知かと思うのですが、戦後、物資が不足すると、ナルトが高価なものとしてラーメンに載せられなくなった。その時に麩をナルトの代わりに載せたというのが理由だと思います。昔から東北は貧しいというところもあったと思うので、高価な魚の練り物であるナルトやカマボコの代わりに、麩が広がったというのは考えられると思います」

お麩入りのラーメン

麩とラーメンの関係に思いを馳せ 一杯を味わう

今回の取材でわかったことは、麩入りラーメンは、主に東北と北海道の一部で提供されていて、昭和初期にナルトの代用として特別感を演出するために使われたのが起源ではないかということです。
全国的には珍しい、青森のお麩入りラーメン。材料が少ない時代、ラーメンをおいしく食べてもらいたいという作り手の工夫と、青森ならではの煮干しダシの澄んだスープとの相性の良さから、麩入りラーメンは長きにわたり食べ続けられているのではないでしょうか。青森にお越しの際は、是非一度、お麩入りラーメンを味わってみてください。