神社の改修費用を着服したとして業務上横領の罪に問われている男の裁判で、被告の男は起訴内容を認め、費用を積み立てていた住民に対し謝罪の手紙を送っていたことが取材でわかりました。
富山市婦中町小長沢にある若宮八幡社。住民たちが積み立てたおよそ2400万円をかけ、ことし8月に改修を終えましたが、そのうち1800万円が使い込まれていました。

業務上横領の罪に問われているのは、この神社の改修整備委員会、会長を務めていた石田精一被告(65)です。

自治会は、1800万円が着服されたと被害届けを出していますが、検察がこれまでに起訴したのはそのうちの195万円分で、残りの被害については年内に追起訴する方針です。


石田被告は、委員会の預金口座から現金を引き出し着服していたという起訴内容を認めています。20日の公判で、これまでの検察の取り調べに対し「口座を開設した当初からお金を引き出そうと思っていた。着服した金は競輪や競艇、宝くじに使っていた」とした一方、「引き出すたびに罪悪感を感じていた」とも話していたことがわかりました。

神社の周辺で取材をすると20日、地元住民に石田被告から謝罪の手紙が届いていたこともわかりました。
石田被告の手紙:
「お詫びしても詫びきれない思いでいっぱいです。もう少し早くにご相談していればと悔やんでいます。今後は罪を償い一生懸命働いて返済していきますのでよろしくお願いたします」
手紙のなかで石田被告は、着服した改修費用を返済する意思を示していて、今後の裁判でも主張するものとみられます。
次回公判は2023年2月21日、被告人質問が行われ結審する予定です。