国の承認書と異なる方法で医薬品を製造していたとして業務停止処分を受けた廣貫堂が20日、本社の業務を再開しました。再発防止に向けた改善計画が示された一方、配置薬業界からは厳しい声も上がっています。
記者:
「薬の不適切な製造で業務停止となっていた廣貫堂ですが、きょう本社がその期間を終え、全ての工場で業務が再開されました」

これは、廣貫堂が国の承認書と異なる方法で薬を製造していたとして、富山県が11月11日、業務停止命令と業務改善命令を出していたものです。

これにより、本社、呉羽、滑川の3つの工場が操業停止となりましたが、呉羽・滑川はすでに停止期間を終えていて、20日の本社工場の再開で、全ての工場が業務を再開しました。

廣貫堂 塩井貴晴 社長(記者会見 11月11日):
「深くお詫び申し上げます」
製造工程に不備があった医薬品と医薬部外品はあわせて347品目にのぼり、不正製造は少なくとも30年以上前から行われていたと見られています。

廣貫堂は12月9日、再発防止策を含む改善計画を県に提出していて▼法令遵守・品質管理を優先する組織体制への刷新▼管理できる適正量にまで製造品目削減すること▼効果的に機能する内部通報制度の確立などの改善策が盛り込まれました。

一方、業務の全面再開を受けて配置薬業界からは厳しい声が上がっています。
辻井産業(大阪) 辻井康爾 社長(電話):
「薬も信用してもらわないといけないけど、廣貫堂を信用して廣貫堂の薬を売り込んでいくわけですよね。そんな不正なもの作ってやってても、どうなってるんだっていう話になっているわけでしょ。廣貫堂の薬、誰が勧めます?まあ、廣貫堂ブランドは地に落ちたと思いますね」
20日の業務再開を受けて塩井貴晴社長は「生命・健康に関わる製薬企業であるという意識を再認識し、信頼回復に向けて誠心誠意努めて参ります」とコメントしています。