陸上自衛隊で性被害を受けたとして、元自衛官の五ノ井里奈さんが元隊員と国を相手取り、損害賠償を求めた裁判。五ノ井さんはきょう会見を行い、全員と和解が成立したと明らかにしました。
五ノ井里奈さん
「民事訴訟は本日、一つの区切りを迎えます。これは終わりではありません。ようやく自分の人生を自分の足で歩き出すためのスタートだと思っています」
元陸上自衛官の五ノ井里奈さんは、福島県の郡山駐屯地に所属していた際に、隊員5人から体を触られるなど性暴力の被害を受けたとして告発しました。
隊員5人はその後、防衛省から懲戒免職処分を受け、このうち3人は五ノ井さんへの強制わいせつの罪に問われ、福島地裁から懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受け刑が確定しています。
また、五ノ井さんは「示談交渉を進めていたが、その過程で事態を軽くみているのではないかと感じた」「このままではハラスメントの根絶は不可能」として、2023年に元隊員5人と国を相手取り、民事訴訟を起こしていました。
これまでに一部の元隊員とは和解が成立していましたが、きょう、国が五ノ井さんに合わせて160万円を支払うことで元隊員と国と五ノ井さんとの間で和解が成立したということです。これで一連の性加害問題に関する裁判はすべて終結することになります。
今回和解した元隊員からは謝罪の提案があったものの、「自分の行いを認めるような文言ではなかった」として、五ノ井さん側は謝罪を受け入れていないということです。
五ノ井里奈さん
「この4年半は私の人生を壊した時間ではありません。私の人生を知って深く静かに見つめ直した時間でした」
和解成立を受けて行われた会見で五ノ井さんは、これまでの4年半の間をこのように振り返ったうえで、「もっと早く入念に調査して被害を認めてくれていたら自衛隊をやめることもなかった」「声を上げることがどれほどの勇気を必要とし、その勇気が必ずしも守られない現実があることを身を持って経験した」と話しました。
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