ネット上の“偽情報” AIで巧妙化

藤森祥平キャスター:
今回の選挙戦は短期決戦なので、政党もSNS戦略に力を入れるでしょうし、有権者もSNSの情報をキャッチすることが多くなるような気もします。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
私はもちろんオールドメディアのテレビや新聞を重視しています。「YouTube」は党首討論や意見交換などを、ロングで見ることができるのはいいと思いますが、やはりテレビや新聞はファクトチェックをすごくしているので、そこはベースとしては使えると未だに思っています。

藤森キャスター:
偽の情報にどのように対応していけばよいのでしょうか。実際にこのような事例が出回っています。

政治家本人が投稿した、雪の中での街頭演説の画像。これをだれかが生成AIで薄着の格好に加工し「寒いのに元気だな」と投稿。また、党幹部が記念撮影を行っているときの動画が生成AIで加工され、幹部が取っ組み合いをしている動画が作られました。

一見して偽情報だとわかるものもありますが、ものによっては判断がつかなかったり、本来とは違うメッセージで伝わったりする可能性も考えられます。

斎藤幸平さん:
今は技術的に見破ることができても、ここ数年の進歩を考えれば、あと数年したら見破ることができないとなりかねないですよね。

藤森キャスター:
AIで生成された偽情報に対しては、AIで対抗するというツールもあります。

XのAI「Grok」に、「この画像は真偽は?」と質問すると、「AI生成の偽物です」という回答が返ってくるといいます。ただ、この回答も本当に正しいのか判断しかねます。

桜美林大学の平和博教授によると、「補助的なツールとして利用してほしい。間違ったことを正しいかのように回答してくるのもAIの特徴」だといいます。

斎藤幸平さん:
歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏が強調しているように、AIが発展すれば、人間の見破れないところまで来てしまい、民主主義そのものが危うくなる。プラットフォーマーたちが私たちの情報も完全に操れるところまでいってしまうと、なかなか明るい未来を思い描くのは難しくなる気がします。

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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済・社会思想
著書「人新世の『資本論』」