「原告は難民と認められる」名古屋地裁が下した判決

「名古屋出入国在留管理局長(名古屋入管局長)の難民認定をしない処分を取り消す。法務大臣は原告に対し難民の認定をせよ」

2024年5月、名古屋地裁の剣持亮裁判長は、モハメドさんの主張を認め、全面勝訴の判決を言い渡した。

判決理由では、「シリアにおいては、兵役忌避者も反政府的見解を抱いていると見なされて弾圧の対象となる」と述べたうえで、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の報告書などを基に「シリア政府軍が無差別兵器の使用や一般市民の意図的な殺傷などの戦争犯罪、人道に対する罪、重大な人権侵害を犯しており、政府に反対しているとみなされる兵役忌避者は逮捕、尋問、拘禁の際、または兵役中にとりわけ過酷な取り扱いを受ける恐れがある」と、アサド政権の非人道性を詳細に認めた。

こうしたことを踏まえ次のように結論を下した。

「原告が帰国した場合、反政府的意見の持ち主と見なされて直ちに逮捕、拘禁、嫌がらせ、恣意的逮捕、強制失踪、拷問その他の不当な取り扱い、財産没収の対象とされる可能性がある。また兵役に就くことを義務付けられ、忌避すれば暴力を含む過酷な処罰を受け、兵役に就けば反政府的な意見を持つ者として恣意的に十分な訓練を受けないまま前線に配備されるなど、生命、身体への危険が生じうる恐れや戦争犯罪、人道に対する罪、人権法に重大な違反行為への関与を強いられる恐れがあると認められる」

「原告は難民に該当すると認められる」