移転を断念 それでも故郷に残るのは

一方、集落の移転を諦めた谷内さん。市街地の近くに中古の一軒家を購入し、大工として、被災した住宅などの修繕に奔走する毎日です。

この日は地震の影響で、今も停電が続く神社へ。住民からの依頼の中には、2年近く待ってもらう案件もあります。

神社を管理する古谷裕さん
「彼(谷内さん)の人間性というか。嫌な顔せずに『分かったよ』って動いてくれるので人気のある大工さん」

谷内さん
「断ることを知らんねん。震災前に皆さんにお世話になってるでしょ?そうすると、今皆さん困っとるわけ。逆に助けてやらんなん」

生まれ育った土地に別れを告げた谷内さんが、それでも輪島に残る理由。

谷内さん
「長いこと住んどるもんでね、やっぱりどうしても輪島の人のほうが付き合いしても良いし、輪島弁でべらべらと喋られるがいね、あれはいいね」
Q. 輪島は好き?
「はい。大好きです」

集団移転を望み続ける住民、そして道半ばで断念せざるを得なかった住民。どちらも、能登で生きたいという思いに変わりはありません。