仮設住宅を災害公営住宅に転用 移転をはばむ課題

こうした中…

輪島市・坂口市長
「別所谷町と稲舟町においては、これまでも相談会や説明会を実施しており、移転先についてもおおむねの目処がついている段階であります」

移転を希望する3つの地区のうち、別所谷町と稲舟町の移転先の候補が固まりました。それが現在、別所谷町の住民の多くが仮設住宅で暮らす山岸町。市は今ある仮設住宅を改修し、災害公営住宅に転用する方針です。

倉山さん
「(山岸町は)静かなところが良い。年寄りも歩いていけばショッピングセンターも病院なんかも歩いて薬もらいに行くのも近いし、できたらここにおらしてくれりゃいいなという話はだいぶ聞く」

この日、仮設団地の忘年会に集まってきた住民たち。場所が変わっても、集落の絆は固いままです。

別所谷町の住民
「地震じゃなくてもちょくちょくみんなで上下関係なしに飲んだりしとったから繋がりが深くなったんやろう。それが良い場面と悪い場面もあるかもわからんけど。今はちょっと良い場面に回っとるんじゃね」

地震から2年、ようやく見えてきた、集団移転への第一歩。ただ、住民が災害公営住宅に入居できるのは、早くても2年後。仮設住宅に住む別所谷町以外の住民が退去していることが前提で、集団移転の時期は見通せないのが実情です。

別所谷町の住民
「集団移転やからやっぱりみんなでおりたいし、私ら生きとるうちになるか分からんけど。だって若い子で50やろ。私ら70であと年上やし。半分覚悟しておかんと…」
「嬉しいことなんやけど、やっぱり地元に戻れば『やっぱりここに戻れんかな』とか色々なことを懐かしく思うわね」