韓国の前大統領の妻・金建希被告について捜査する特別検察官は29日、捜査結果を発表し、金被告が政府内の人事などで便宜を図る見返りに4年間で3億7725万ウォン、日本円で約4100万円相当の金品などを受け取っていたと明らかにしました。

韓国の尹錫悦前大統領の妻・金建希被告をめぐっては、不正な金品授受疑惑が次々と浮上し、政府から独立して捜査を進める特別検察官のチームが設置されて、半年にわたって捜査が進められてきました。

特別検察官の発表によりますと、捜査の結果、金被告は貴金属や高級バッグなどを受け取る見返りに、事業への便宜や政府内の人事、政党の公認候補の選定などに介入していた疑いが判明しました。

金品を渡していたとされるのは、旧統一教会の元幹部や国会議員、企業の経営者らで、2021年から4年間で約3億7725万ウォン、日本円で約4100万円相当を受け取っていたということです。

特別検察官は、金被告について、9つの事件であっせん収賄や請託禁止法違反などの罪で起訴したほか、計31事件で66人を起訴し、捜査を終結しました。

特別検察官は「金被告は大統領の配偶者の身分を利用して高価な金品を授受し、職権乱用で韓国の公的システムが大きく棄損された」などと指摘しています。

一方、金被告側は「捜査は法廷で証拠をもとに完結するもので、今後の裁判で事実が誇張されたり、政治的に歪曲されたりしないように主張していく」とコメントを出しています。