「凶悪事件は“他人事”ではない」

忠さんは、講演を聞く私たちに、こう呼びかけました。

「我が家の場合も、うちの事件の起こる1か月前、岡山で小学生の娘さんが、自宅で命を奪われる事件があり、『なんでこんな女の子が家で殺されにゃいけんのか』と、他人事で見たんですね。その約1月後、我が家で同じような事件が起こる。他人事じゃないと分かった時にはですね。もう手遅れです」

北口聡美さん(遺族提供)

「やはり、常日頃から、明日は我が身と考えていただいて、他人事として見ないようにしていただきたい。例えば、家のゴミ出しでわずか1分、わずか30秒でも、鍵を開けっぱなしで出る時があると思う。この行為も本当は危ないので、わずかな時間でも、必ず戸締まりするようにしていただきたい」

「自分や家族の命について、常にとまでは言いませんけど、 たまには考えていただきたい。(凶悪事件だけではなく) インフルエンザや新型コロナ、自然災害で、大変な思いになることもありますので、自分や家族の命を守る行動を一番に考えていただきたいと思います」

大切な娘を失った、北口忠さん。

【前編】「あの顔を忘れることはない」殺害され、眠るように横たわる高校2年生の娘…他人事ではなかった“被害者”という立場、父が語る記憶

では、事件の時の、忠さんの記憶を。

【中編】「入信すれば解決」「加害者知っているからお金を」17歳の娘を失った被害者遺族、悩んだ“二次被害”

では、被害者遺族への二次被害について、お伝えしています。