大阪府警捜査四課の警察官らが家宅捜索時に捜査対象の男性らに暴行を加えたとされる事件で、新たに4人が在宅起訴されました。

 起訴状などによると、大阪府警捜査四課の巡査部長・阪口裕介被告(33)は今年7月、女性を風俗店などに斡旋する国内最大級のスカウトグループ「ナチュラル」の拠点とみられるビルの一室(大阪市西区)を家宅捜索した際、捜査対象の男性2人に殴る蹴るの暴行を加えたとして、特別公務員暴行陵虐と同致傷の罪に問われています。

 また、同課の警部補の時長力被告(51)も暴行に関与したとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われています。

 公判で阪口被告と時長被告は起訴内容を認めていて、▽阪口被告は「令状を取得していたのである程度の力の行使は認められていると思っていた」「上からの指示で必死だった」、▽時長被告は「現場の下の者を守るために、私も対峙し、暴行しました」などと供述。

 検察は、▽阪口被告について拘禁刑2年6か月、▽時長被告について拘禁刑2年を求刑しています。

 公判では映阪口被告が現場の防犯カメラの電源を切ったり、防犯カメラとは別の秘匿カメラの画角を変えていたりした事実も判明。また、阪口被告の弁護人は、“秘匿カメラの映像が、阪口被告と時長被告ではない別の何者かによって、ハードディスクから消去され、その後、復元された”という捜査報告書があると指摘しています。

 この事件をめぐり、大阪地検は12月11日付けで捜査員4人を、同じく特別公務員暴行陵虐の罪で在宅起訴しました。

 在宅起訴されたのは、▽人見寛大被告▽関坂祐二被告▽鈴木貴士被告▽溝畑一成被告で、時長被告が手であごをつかんだり、頬を押したりした男性に対し、携帯電話機などを差し押さえる際、殴打などの暴行を加えた罪に問われています。

 大阪府警は、この6人の被告ら捜査に関わった関係者の処分や、再発防止策の検討を進めています。