投票率向上と比例して失われていく「政治参加の自由」
12月上旬に行われた香港の議会にあたる「立法会」の選挙では、候補者は「中国の愛国者」に限られていました。
反対勢力の「民主派」が排除されていて、民主的ではないなどの批判も起きているということです。
昨今の香港での選挙事情についてサム・イップさんに聞きました。
サム・イップさん
「とある医療系のNGOの話です。
部署ごとに投票済み証明書を持っている人を実名で登録しています。
その情報を人事部にあげないといけない。
人事部からどこへ行くかは分かりませんが、そもそも記録している時点で、投票の強要です。
政治の参加・非参加、それも政治権利の一種です。
政治参加の自由にあたるものが強要されているのは政治参加ではない。
今まで我々には『投票しない権利』、あるいは投票の内容を明かさない『秘密投票』が約束されていて、政治自由、表現の自由、報道の自由などが存在していました。
それがこの何年間かで失われていっているんです」
日本でも、投票した証明書を見せると、割引してくれるお店がありますが、今回の香港の選挙では、証明書を持っていると会社を選挙のために半休できるところもあったそうです。
しかし、こうした投票率を上げるために行われた施策が、政治参加の自由を奪うためのものにもなっています。














