新たに宮内庁長官に就任した黒田武一郎氏が記者会見にのぞみ、「努力を尽くしてまいりたい」と抱負を述べました。

きのう付で宮内庁長官に就任した黒田武一郎前次長(65)は「極めて責任の重い仕事」としたうえで、「努力を尽くしてまいりたい」と抱負を述べました。

皇室をめぐる課題については、「宮内庁は具体的な議論の進め方にコメントすべき立場にはないが、皇族数の減少は皇族の活動との関係で課題がある。議論をしっかり進めていただきたい」と考えを示しました。

また、今後について、具体的には「皇室や宮内庁が持つ施設や陵墓をどのように管理していくか」や「適切な情報発信の推進」について議論を進めると明らかにしました。

黒田新長官に先立って会見を行った前長官の西村泰彦氏(70)は、次長時代も含め、9年3か月の宮内庁生活を振り返りました。

冒頭、「新型コロナ拡大の中で皇室の活動をどうしていくか、まさに模索の続く日々だった」としたうえで、天皇皇后両陛下の被災地訪問で被災者が涙を流していた例などをあげ、「国民と苦しみを分かち合うお姿を見て、活動の重要性を改めて感じた」と感慨深く述べました。

皇室の制度設計についての議論が十分に進まなかったことについては「忸怩たる思い」としつつ、「多くの国民が支持してくれる案をぜひ作っていただきたい」と今後に期待を寄せました。

会見の最後には、「精一杯やらせていただき、充実した思いです」と晴れやかな表情で語りました。

新体制では、前警視総監の緒方禎己氏(62)が宮内庁次長を務めています。