『娘が殺されているんじゃないか』という思いは1ミリもなかった

警察が会社の倉庫を調べていくと、一番奥のロッカーからルミノール反応が・・・。

(加藤裕司さん)
「警察は、当然のことながら、もうここ【画像⑲】全部調べるわけですよね。一応、綺麗に血はふき取っているわけですよね」

「パッと見た限りでは何もないんだけども、一番奥のロッカーから“ルミノール反応”が出たということで、この血痕は誰の血なんだといいうことで、すぐに我が家に飛んで来られました」

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「わたしたち夫婦の口の中の粘膜をとって、DNA鑑定をするということです。驚くほど早い。1日か2日だったと思うんですけど、『お嬢さんの血に間違いがない』と言われました」

「それを聞くと、もう動転しますよね。娘は知らない男に連れ回され、しかもけがをしている。もうどんどん、どんどん不安が大きくなっていくんですけども・・・」

約1週間後、岡山西警察署から午後8時ごろに「これからお邪魔していいか?」と電話がありました。

「その時、われわれ夫婦は『何か新しい事実が分かったのかな』と期待が半分ありました。だけど、もう半分は、ちょっと説明ができない不安みたいなのがありました」

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「多くの被害者の家族というのは、たぶん同じ思いだと思うんですけど、よくテレビドラマで殺人事件があったりしますよね。テレビを観ている我々は、『あ、これ殺されてるよな』って勝手に思ったりしてます」

「ところが、自分のことになると『娘が殺されているんじゃないか』などの思いは1ミリもありません。『生きてる』ということしか思ってないんです」

「もう『不自由になってても、生きてるんだ』と。そういう思いしかないんです。だから殺されてるという思いは1ミリもないので、そういう意味での不安はほぼありませんでした」