四国で唯一、境内の建物の全貌が明らかになっているという高知県南国市に残る古代寺院の跡が、新たに「国の史跡」に指定される見通しとなりました。
19日、国の文化審議会から国史跡への指定が答申されたのは、南国市の野中廃寺(のなかはいじ)跡です。

野中廃寺は今から1200年以上前、奈良時代に建てられた寺院で、その特徴は四国で唯一、伽藍(境内の建物の配置)が全て明らかになっていることです。

これまでの調査では建物の基礎や食器などが見つかり、瓦は土佐国分寺と同じものが使われていたことが分かっています。野中廃寺は中央政権の国分寺造営が地方の寺づくりを活発化させたことを示していて、古代の寺院の造営を考える上で重要だと評価されたということです。

◆南国市教委 生涯学習課 油利崇 主幹
「古代の遺跡全般の中でも野中廃寺は重要な位置を占めていますので、調査研究にいかしていって、さらに保護をしていくことで、活用も含めて地元の皆さんに還元していけるようにしていきたいと思います」

野中廃寺跡は、2026年にも正式に国の史跡に指定される予定で、指定されれば県内では14件目となります。














