泣きながら作った「Daddy's Suit」誕生の夜

制作チーム全体で試行錯誤を重ねる中、楽曲の“正解の形”が見え始めたのは第3話あたり。その後に生まれたのが、阿部サダヲが演じる主人公と、未来の義理の息子(古田新太/錦戸亮)が歌うバラード「Daddy's Suit」だ。

制作陣からの「心して読んでください」という一文と共に送られてきた台本に胸を揺さぶられたMAYUKOさんは、夜遅くピアノに向かい曲作りを開始。翌朝にはデモが完成していたという。

「読んだ瞬間に泣きながらピアノに向かって、視聴者の皆さんと同じ気持ちで楽曲を作る感覚でした」。

普段の劇伴制作でも、MAYUKOさんは形にするスピードを意識している。速く作ることで、自分の考えや熱量を現場に伝えやすくなると考え、歌の制作が速いのも歌手としてのキャリアが影響しているという。「この楽曲をどう届けるか」を考えながら進める姿勢が、現場の判断や次の作業につながっている。