26人が犠牲になった大阪・北新地で起きた放火殺人事件からまもなく1年です。容疑者の足跡をたどると「孤独」と「困窮」の中、凶行に及んだ姿が浮かび上がってきました。
大阪市内の斎場です。これらは、全て引き取り手がない無縁の遺骨です。放火殺人事件を起こして死亡した谷本盛雄容疑者(当時61)の遺骨も引き取り手がないままだといいます。
去年12月17日、事件は大阪・北新地のビルにある心療内科クリニックで起きました。谷本容疑者は持っていた紙袋を床に傾けてガソリンに引火させ、一気に火が広がったといいます。避難経路が断たれ、奥に逃げ込んだクリニックのスタッフや患者、それに容疑者本人を含む27人が死亡しました。
「拡大自殺」とも言われる事件はなぜ起きたのか。改めて足跡をたどりました。
谷本容疑者は25歳で結婚し、腕のいい板金工として働き、家族でこの家に住んでいました。しかし、2008年に離婚し、生活が一転。2011年には長男に対する殺人未遂事件で懲役4年の判決を受け、服役しました。
出所後、交友関係は、ほぼなかったとみられていますが、事件の4年前、生活保護の相談を受けていたAさんに話を聞くことができました。
容疑者から生活相談を受けたAさん
「すごく礼儀正しくて、今は反省して社会復帰したいけど、仕事をする意欲はあるが、面接までいったが、自分の前科のことをインターネットで調べられてだめになることが続いた」
当時、谷本容疑者が半年間暮らしていたのが、こちらの簡易宿舎。一泊1300円のいわゆる「ドヤ」でした。仕事も見つからず、所持金もほぼない中、谷本容疑者は生活保護を申請しましたが、受給には至りませんでした。その理由は分かりません。
相談から4年後、谷本容疑者が銀行口座から最後に引き出したのは83円で、残高はゼロでした。携帯電話には「死ぬ時くらい注目されたい」などの検索履歴が残されていました。
Aさんは、犯罪者と呼ばれた人を受け入れる社会であれば、事件は起きなかったかもしれないと感じています。
容疑者から生活相談を受けたAさん
「SOSを求めていた人が絶望して、事件を起こしてしまったというのは、社会にとっても彼1人の問題ではないんだろうなと思う」
再犯者のうち、「無職」だった人は7割あまり。事件は、今なお重い課題を突きつけています。
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