《「自分がすごく嫌いだった」健常者と障害者の谷間に置かれ…》
人にぶつかってしまう。そして段差に気付けない。雪が積もり、凍結した路面は、凹凸があるため、特に危険です。小学校や中学校では、周囲から容姿のことで心無い言葉が向けられる場面もありました。
左目失明のモデル 吉野奈美佳さん(29)
「みんなとは違う自分がすごく嫌いだったし…自信がなくして、本当に内気になって、常に家にこもる暗い生活を送っていました」
辛かった記憶がよみがえる卒業アルバム。吉野さんはいまも開くことができません。生きづらさは、それだけではありません。片目失明者が、福祉的な支援の谷間に置かれているという問題です。
吉野奈美佳さん
「健常者と障害者、どちらの世界からも排除されるんですよね。片目失明者は障害者の認定を受けられないんです」
現在の法律(身体障害者福祉法)では、片目が失明していても、一方の視力が “0.6” を超えると、障害者の認定を受けることが出来ません。吉野さんのような片目失明者には、障害者とも健常者ともされない、いわば「グレーゾーン」に置き去りにされている人が少なくありません。

そうした支援の谷間に置かれてきた吉野さんには、幼いころから心に灯し続けた夢がありました。














