“来たる日のために” 訓練を続ける運転員

新潟県刈羽村にある訓練センターではこの日、原発の中枢・中央制御室を模したシミュレーション施設で、暗闇の中、訓練が行われていました。想定は地震により外部電源が喪失したという過酷な状況です。

「プラント緊急停止しました。SBO(全交流電源喪失)発生中。建屋内にいる人は退避願います」

この日は炉心損傷を防ぐために原子炉を冷やす手順を確認しました。

柏崎刈羽原発には10月末現在で255人の運転員がいますが、中でも東電が再稼働を目指す6・7号機は、106人のうち半数以上の61人が原発を動かしたことがない未経験者です。

稲垣武之所長は、運転員の役割について、こう話します。

「日々、発電所の設備を最前線で見つめている人。発電所の安全を守り、そして地元・地域の皆さまにとって安心いただける発電所をつくる“守護神”のような存在だと。長い(停止)期間の『実体験で感じる』ことができないという影響は少なからずあるとは思っている」