■全⽇本ショートトラックスピードスケート選⼿権(14日、東京辰巳アイスアリーナ)

ショートトラック、ミラノ・コルティナ五輪の最終選考会が終了し、日本代表選手(計9名)が発表された。女子では代表5枠の5人目で今大会3冠を果たした長森遥南(23、アンリ・シャルパンティエ)が有力候補を抑え、逆転で初の五輪代表に内定した。

長森は第30回大会の神野由佳さん以来、18大会ぶりとなる500m、1000m、1500mの3冠を達成。競技後、会場で代表選手の名前が呼ばれた際には、喜びの涙を流し、「驚きと嬉しさと。実感は明日にならないと沸かないかな」とニューヒロインらしく初々しい表情をみせた。

その長森は、ショートトラックのほか、小学2年生からゴルフにも打ち込むなど、異色の経歴を持つ。ベストスコアは“68”で、プロテストにも挑戦し、大学では人数不足の理由でゴルフ部を兼部したこともあると明かした。「プロを目指して頑張ってました。今でも少しやろう思ってたんですけど、監督からスケートに集中しようと(笑)」と近年はショートトラックに専念し、ついに大舞台への切符を手にした。

また大学卒業後は、洋菓子ブランドである「アンリ・シャルパンティエ」に所属して競技を続け、オフシーズンにはフィナンシェ作りにも携わっているという。「入社して3ヶ月くらい働かせていただいて」と社会人としてのキャリアも同時にスタートさせた。

前日は1500mと500mで2冠を手にし、代表入りへ猛アピール。「昨日はもう全然寝れなくて、和菓子がめちゃくちゃ好きで、みたらし団子とおはぎを食べて(2日目も)頑張りました」と洋菓子をはじめ、大好きなスイーツをエネルギーに最終日の1000mも制した。

「武器はスタートと加速力なので、五輪までたくさん磨いていきたい」とつかんだチャンスを活かし、初の五輪に挑む。