2021年、愛媛県新居浜市で、元同僚の男性と両親のあわせて3人を殺害した罪などに問われた河野智被告(58)の裁判で、最高裁は河野被告の上告を退ける決定をしました。決定は9日付で、河野被告に無期懲役を命じた1審と2審の判決が確定することになります。

裁判では河野被告の責任能力が争点となりましたが、1審の松山地裁は、統合失調症による被害妄想が犯行に影響したとしつつ、責任能力を失ってはいない「心神耗弱状態」と認定して、河野被告に無期懲役を言い渡しました。

2審の高松高裁は、1審の量刑について「心神耗弱の影響を過小評価しているとはいえない」などとして河野被告側の控訴を棄却していました。