無理なダイエットで不健康に…「本当の美しさ」とは

ことし運動によるダイエットに加え忙しさで体重が5キロほど減った上田さん。体調に変化があったといいます。

上田乃々佳さん
「最初はすごい嬉しくて、よっしゃーって思ったんですが、体調を崩したり免疫落ちてるのかなって。そのあと風邪ひいてさらに体重が1キロくらい落ちたときはやばいって思って。健康的ではない痩せ方になってしまうなって危機感を感じました」

一方の中島さんは高校時代、半年で10キロ以上の減量を経験。すると、ダイエット開始から数か月後、体に異変が起きたと話します。

富山大学 中島菜緒さん
「生理が3ヶ月、最初来なくて3ヶ月なら大丈夫かなって勝手に思ってたんですけど、4ヶ月目もまた来なくてそれを見たときに、すごい不安になってしまって」

その後、病院を受診して回復しました。
無理なダイエットがもたらすリスクについて小児科医の庄司さんは――

小児科医 庄司保子さん
「体の防御反応として、女性ホルモン出なくなってしまう。卵巣機能がお休みしてしまって。それが何が影響するかというと、骨密度をためなければいけない大事な思春期のときに、女性ホルモンがなくなっちゃうので、骨密度がすごく低くなってしまうのでちょっとしたことで骨折したりとかすることが将来的に待っている」

また将来の妊娠や、生まれてくる子どもの健康にも影響を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らします。

小児科医 庄司保子さん
「小さく生まれるだけじゃなくて、赤ちゃんがその後大きくなっていく段階で、低栄養で生まれたっていう状態が健康を損ねるっていうことも、いろいろな報告でわかってきている。自分だけの問題でもなくて次の世代にどんどん受け継がれていってしまう」

2人はダイエットの経験を通じて、「かわいさ=痩せていること」ではなく、自分らしさを大切にすることこそが、本当の美しさにつながる。そう気づいたと言います。

富山大学 上田乃々佳さん
「かわいくなる方法は、ルッキズムの時代のおかげでいっぱいSNS上には情報があって、その中で一番変化を感じられて見栄えが変わるのがやっぱりダイエット。ハマる気持ちもわかるんですけど、ちゃんとした自己理解をした上でダイエットしないと、あまり健康的ではないし、その人のかわいさを120%引き出せないかなと思いますね」

若い世代が、健康とは何かを正しく学び、自分自身を大切にできるように私たち大人がまずは土台となって求められています。

小児科医 庄司保子さん
「小学校低学年ぐらいからダイエットしなきゃって気軽に今のお子さんおっしゃっていて。そういうことを生み出してるのはやっぱり大人の責任、社会の責任。社会的な影響によって、健康が脅かされることはあってはいけないことだと思う。自分たちが健康な状態で大人になるためにはどうしたらいいのかというのを、理解できる内容を繰り返し積み上げ、学年ごとに教育してあげられるような体制が必要」














