認知症や老化は「恥ずかしいことではない」

今、金子さんはこう訴えます。

「認知症や老化は、恥ずかしいことではありません。認知症は足腰が弱るのと同じ、正常な老化現象の一つです」

介護を巡って起きる悲しい事件の背景には、「親の恥ずかしい姿を見せたくない」という家族のプライドや、誰にも相談できない孤立があります。

そして医療関係者には、「家族だから見れるでしょう」「施設に入れた方がいい」と決めつけず、在宅で暮らすための知恵と選択肢をもっと提示してほしいと話します。

「家族が倒れた時、『自宅で見るのは大変だから施設を探したほうがいい』と決めつけないでほしい。色々なサービスを使えば、在宅で過ごせる時間はもっと作れるかもしれないのです」