なぜ必要?「正義」と「平穏」のバランス

山形純菜キャスター:
公訴時効は、▼「犯罪者を処罰する重要性」という正義の実現、そして、▼「過去の事件と区切りをつけ社会全体の平穏を保つ」法的安定性、この二つのバランスを保つためにあるということです。

TBS報道局 社会部 寺島尚彦 記者:
「これだけの事件だから、絶対に犯人を捕まえてほしい」という国民の思いにこたえる「正義の実現」の一方で、バランスも必要です。

罪には重いものから軽いものまであり、軽い罪でも犯人が国家権力のもとで、監視をされることが良いのかどうかという点。そして、被害者の中にも「今の生活を維持したい」「そっとしておいてほしい」という人もいれば、当然、処罰感情の強い遺族もいます。

犯罪者・被害者も含む社会全体に、平穏と区切りをつけることが必要だと、そのバランスを取り決めているのが「公訴時効」の考え方とされています。