片山侑樹記者)きのう(8日)震度5弱の地震が観測された浦河町に来ています。パティスリーラピラータのオーナー平田聡さんです。よろしくお願いします。

片山記者)まず、昨日、地震があった時の状況を教えていただけないでしょうか。

平田聡さん)夜遅かったので、自宅にいたのですけれど、揺れた後、津波注意報から津波警報にかわりまして。幸いにも高台に家があるので、自宅で、家族でテレビを注意しながら見ていました。

片山記者)安全な場所に身を置けたということで。

平田さん)はい、そうですね。

堀啓知キャスター)札幌のスタジオの堀です。
お店のお菓子作りには、現状何か影響は出ていますか?

平田さん)けさ入荷予定の乳製品なんですけれど、生クリームですとか牛乳関係がですね。流通が滞っていまして、入荷がなかった状況ですね。

堀キャスター)今ショーケースを見せてもらっていますが、これはいつもよりも少ない状況だと思ってもいいですか?

平田さん)そうですね。閉店近いというのもあるのですが、朝の時点で生産した量も、いつもの半分くらいの量で、今日はちょっと控えめな形で営業しておりました。

堀キャスター)平田さんの知っている範囲でいいのですが、町内、他のお店だったりだとか、何か影響が出ているという情報はありますか?

平田さん)他の飲食店さんですと、酒瓶が全部落ちて割れたりですとか。そういった影響が出ているようですね。

堀キャスター)ありがとうございます。 

片山)今回の取材を通しまして、地震はまちの経済にも影響が出ていることがわかりました。

堀キャスター)今回の地震では、3年前の運用開始以来初めて「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も発表されました。

堀内大輝キャスター)後発地震注意情報は、北海道の根室沖から東北の三陸沖にかけての「想定震源域」および、その外側のエリアで地震の規模を示すマグニチュードの大きな地震が起きた場合に発表されます。

先に起きた地震のあと、さらにマグニチュード8クラス以上の巨大地震が発生する可能性が普段よりも相対的に高まっているとして注意を呼びかけるものです。

呼びかけの対象地域はと言いますと…

内閣府では、巨大地震で震度6弱以上、3メートル以上の津波が予想される地域を「防災対応を取るべきエリア」として指定しています。

道内で対象となる自治体は「太平洋沿岸部」「道東の内陸部」「オホーツク海側の一部」など、63の市町村です。

小橋亜樹さん)事前に言っていただけるものがあるというのが大きいですよね。これは必ずということではないけれど、パっと今聞いてしまうと、余計に煽られる感覚は否めないですね。

堀キャスター)正確に情報を知るという事が大事ですね。普段の備えよりも一段階高めてください、ということに繋がりますね。

堀内キャスター)普段の巨大地震の発生確率が0.1パーセントと言われているのですが、今は10倍になって、1パーセントというように言われて。その数字を聞くと高い数字ではないのですが、高まっているということはわかっていただけるのではないでしょうか。

堀キャスター)1000分の1が100分の1になっているような状況ですね。

堀内キャスター)100回に1回と聞くと、あってもおかしくないかなという感じがしますね。

堀内キャスター)地震のメカニズムに詳しい北海道大学・大学院の高橋浩晃教授に後発地震注意情報と、冬場の備えのポイントを聞きました。

北大地震火山研究観測センター 髙橋浩晃 教授
「今回のような大きい地震が起こると、その後には必ず(後発の)余震が起こる。その余震の中に時々、最初の地震よりも大きい地震が起こることがあり、これを後発地震と言い、より大きな被害が出てしまう。あまり心配する必要はないが、万が一起きたときにも対応できるように心の準備をお願いしたい」

「冬に津波警報が出た場合には、数時間、最悪1日以上避難する必要があり、避難先でいかに暖を取るかが重要。できるだけ暖かい格好ですぐ避難できる準備や、非常持ち出し袋にカイロを入れるなど、冬の寒さへの備えをぜひお願いしたいと思います」
「積雪・凍結については、なかなか対策をするのが難しいのですが、津波避難が必要な地域では除雪をやっておくことが重要になってくるのかなと」

堀内キャスター)被害想定でも、冬場は被害が大きくなることが予想されていますので、今後必要な備えを、一緒に確認していきましょう。

堀内キャスター)
・寝る際は、すぐに逃げ出せる服装で
・枕元に防寒着や貴重品、食べるものを備えて、すぐに持って避難できるように
・スマートフォンを充電するほか、ラジオなども用意して緊急情報をいつでも取得できるように
・家具は固定してあるか、高い所に物を置いていないか確認しておく
・さらに、いまは冬です…温かい防寒着やカイロを準備
・避難経路の雪かきや、砂を撒いて滑らないようにするなどスムーズに避難できるよう備える

福島和可菜さん)東日本大震災があって、能登半島地震があって、今回の地震があって。多分みなさん意識は高く、準備されてる方が多いかなと思うのですが、いまいちど確認したら、結構、食料品とか充電器とか、古いものを入れているなと。なので、それを新しく準備しなおす必要があるなというように思いました。

堀キャスター)まず落ち着いて、情報を理解して。改めて自分の家にはどういうものがあってどういうものがないのか、この1週間は、備えを確認する1週間にしてください。