北海道西興部村(にしおこっぺむら)にある、特別養護老人ホームで職員が入所者の裸の写真を撮影し虐待していた問題で、専門家は「閉鎖された空間で倫理観が低下した可能性がある」と指摘しました。
虐待が発覚した、北海道西興部村の特別養護老人ホーム「にしおこっぺ興楽園(こうらくえん)」。施設には60代から90代の男女80人が入居しています。
問題となった虐待行為は2021年3月、職員32人が入所者80人全員の全裸や下着姿を撮影していたもので、入所者の関係者から役場への情報提供で発覚しました。
にしおこっぺ興楽園 松岡晃司施設長
「(90代女性入所者は)すねににケ骨折の痕があった。病院の先生から『今回の傷じゃない 1~2日前の傷じゃないか』と話があり、(入所者に)事前に傷がないか確認するために話し合って、画像を残したほうがいいとなった」
施設によりますと、職員は撮影する際、入所者に声をかけたということですが、本人の了解を得ていたかどうかは分かっていません。西興部村は「撮影は本来必要のない行為で、施設の都合だけで撮影を続け入所者の尊厳を傷つけた」として虐待と認定し、2022年年8月、施設に対し改善報告書を道に提出させました。
北海道はこれを受け、来年1月中に道内の福祉施設の実態調査を行う方針です。
にしおこっぺ興楽園 松岡晃司施設長
「今回の画像を撮った職員はいるんですが、それについては上からの指示で動いた。中には、嫌だという職員もいたが、結局、声が上に届かなかったということで今回利用者のみなさんに大変迷惑をかけた」
施設を運営する法人は、村内の障害者支援施設「清流(せいりゅう)の里」でも、複数の職人による入所者への虐待が発覚しています。複数の職員が虐待を行う背景には何があるのでしょうか。
星槎道都大学社会福祉学部 大島康雄准教授
「倫理観が低下していくのは研修の機会の欠如と、外部の人が入る機会が少ない。外部の人間をなるべく入れて風通しのいいような施設を作っていくことが求められる」
星槎道都大学の大島康雄(おおしま・やすお)准教授は、過疎地の施設では新たなスタッフを確保しづらく、施設内で客観的な意見が生まれにくいと指摘します。
「にしおこっぺ興楽園」に両親を預けている人は「職員はマメで親切な人ばかりサービスに不満はない。周辺に代わりの施設があるわけではないので再発防止を徹底してほしい」と話しています。
12月14日(水)「今日ドキッ!」
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