裸足で飛び出していって、谷口の首根っこを掴んで、

「人殺し、人殺し!お前たちがマサフミ殺したんだ、マサフミ返せ、マサフミ返せ」

泣き崩れた。

「谷口、お前たち、お母さんがおっしゃってることはわかるか。
誰がマサフミにシンナーを教えた。誰なんだマサフミにシンナー渡したのは。こんな悲しいこと2度と繰り返すな。」

60数束の花束が綺麗にマサフミを覆いました。
そのあとお母さん朝まで何やってたか。

「馬鹿やろう!」

叫びながら、花束一つ一つ持って外飛び出して、地面にたたきつけて足で踏みにじった。
花には罪はない。
でも止められなかった。
朝まで黙々と花束を片付けました。

「シンナーが憎い」

翌日告別式が終わった後、お母さんから頼まれた。

「水谷先生お願いがあります。火葬場まで一緒に行ってやってくれませんか?箸渡しする人がいないんです。」