女子10000mA組では田中希実(26、New Balance)が日本歴代7位となる30分54秒40の3着でフィニッシュした。

田中はレース序盤は集団の中ほどに位置していたが、カリバ・カロライン(JP日本郵政G)ら先頭集団に離され、第2集団の7番手に。しかしそこから徐々に前に出ると、終盤では更にペースを上げ、3番手まで順位を上げた。ラスト1周のところでは、2番手を走るカマウ・タビタジェリ(三井住友海上)を捉えるまで追い上げを見せた田中。第2集団を引き離す力走で日本人トップの3着でレースを終えた。

1着は序盤から快足をとばしていた30分43秒42でカリバ・カロライン、2着には30分50秒99でカマウ・タビタジェリが入った。

9月の東京世界陸上では2種目に出場した田中。女子1500mで予選敗退となったが、5000mでは決勝に進出し、入賞を逃すも12着の力走で国立を沸かせた。また、田中は1500m(3分59秒19)、3000m(8分33秒52)、5000m(14分29秒18)など多くの種目で日本記録を持っている。

レース後、田中は「10000m久しぶりで、長丁場なのでいつもみたいにレースってつもりでいくよりは、自分の中でできるだけペース相応の感じというか、落ち着いて走ることを心がけて、その通りに走れたかなと思います」と振り返った。

終盤には第2集団を突き放す激走を見せた田中。「ラスト4周の時点で余裕を持てていたのでそこで恐れずに、後ろのこととか気にしすぎずに、自分のペースでいけたかなと思います」と話した。今後のレースに向けては「1500とか5000とかに関しては今シーズンベストが出せなかったので、来シーズンは順位とかっていうよりはタイムとかも自分の中で意識してレースを動かしていけるようにしたいと思います」と意気込みを語った。