東京・足立区で乗用車が歩行者をはねて死傷させたひき逃げ事件は、死傷者が14人となりました。

事件を起こした車を盗んだとして逮捕された男が、「クラウンRSに乗りたい気持ちが抑えきれなかった」などと供述していることがわかりました。

この事件は先月、足立区で乗用車が歩行者をはね、テスタド・グラディス・グレイス・ロタキオさん(28)ら2人が死亡し、運転していた男が逃走したものです。

事件をめぐっては、37歳の男が近くの自動車販売店でひき逃げ事件を起こした車を盗んだ疑いで逮捕されています。

男は当初、取り調べに対し、車を盗んだ疑いについて容疑を否認してましたが、その後の捜査関係者への取材で、「自分の中でクラウンRSに乗りたい気持ちが抑えきれずに今回勝手に(車を)持ち出しました。いけないことだと思っていました」などと容疑をおおむね認める供述を始めたことがわかりました。

また、ドライブレコーダーなどの解析から、男は、車を盗んでから事故を起こすまでのおよそ2時間の間に、東京・足立区と埼玉県・草加市の間を行き来しながら、21キロほど盗難車で走行していたとみられていることも新たにわかりました。

男は「(盗んだ)クラウンRSは、自分の車になったと思った」という趣旨の供述もしているということです。

新たに判明したけが人を含めると、一連での事故の死傷者は14人となり、警視庁は、危険運転致死傷での立件も視野に捜査しています。