先週、糸満市の新川区公民館で開かれた展示会『知ってほしいヘイトスピーチのこと』
この展示会では那覇市役所前やネット上にはびこるヘイトスピーチを240点展示し、私たちの身近に確かにあるヘイトの現状を可視化しました。


元ひめゆり学徒(94)
「目が回る、悔しいね。こんなに沢山の人たちが沖縄をこういう風に見ていたと思うと、先輩たちの功績は何だったんだろうと。本当に身震いしました」

那覇市在住の男性(46)
「不快な言葉が一杯あって、こうやってまとめてみると、やはりショッキングな感じです。本当に悲しい感じがしてきます」

催しを開催したのは市民団体『沖縄カウンターズ』です。今回で3回目となる展示会などを通して、県にヘイト規制条例の制定を求めてきました。
カウンターズは2年ほど前から、インターネット上にあふれるヘイトについて。問題視してきました。

沖縄カウンターズ 島袋さん
「インターネット上だけですね、どんなヘイトがあるか皆で手分けして調べてみました。一番多かったのが沖縄ヘイト」

東村高江の機動隊員(2016年)
「どこ掴んどんじゃボケ、土人が」

東村高江で大阪府警の機動隊員が、ヘリパッド建設に抗議する市民に発した”土人”という言葉を筆頭に。ネット上では沖縄ヘイトが散見されました。
野放しにされた差別の言葉は機会を伺い、一気に増殖してきたといいます。

沖縄カウンターズのメンバー
「こちらは県知事選の最中にあったヘイトスピーチ。一気にここぞとばかり、ヘイトスピーチが出て来て」

県知事選挙に絡んだヘイトスピーチはカウンターズの調査で175件。玉城知事への差別も確認されました。

沖縄カウンターズのメンバー
「どんどんヘイトスピーチが増えているような感じがしていて、有名人とか。ひろゆきとか。それに対するリプライ(返信)ヘイトスピーチがさらに加速するような印象ですね」


カウンターズなどの要請もあって。県は今年度中に、ヘイトを規制する条例の制定を目指し、現在、県民の意見を募集するパブリックコメントを行っています。県が作成した条例の骨子案には、日本で生活する外国人などへの差別的言動が認められた場合には”氏名公表する”等の対策が盛り込まれています。しかしヘイトスピーチを規制する上での”罰則”はなく、その”実効性”について市民たちは疑問視しています。

沖縄カウンターズのメンバー
「もちろん実効性のあるものにして欲しいと思っていますので、罰則を設けるとか。そこはちゃんとしたものにしないといけない」
「交通の違反でもそうですよね。これやったら違反になりますよ。こういうことをやったら罰則があるよね。ヘイト規制も同じではないかと私は感じています」