沖縄県内の最低賃金が、過去最大の上げ幅となる71円引き上げられ、12月1日から「最低時給1023円」になりました。県内の最低賃金が1000円を上回るのは初めてのことですが全国で最も低い金額となっています。

一方で、全国平均の1121円を下回り、高知県、宮崎県と並んで全国で最低となっています。

新しい最低賃金は例年10月から適用されますが、今年は使用者側の準備期間を考慮して引き延ばし12月1日からの適用となりました。

今回の賃上げについて労働組合組織「連合沖縄」の仲宗根哲会長は、「中小企業の大変さも理解している」とした上で、全国最低の現状や県内の物価高を考えても、「良くなっていないという評価をせざるを得ない」とコメントしています。

一方中小企業の経営者賃金を支払う使用者側からは、悲鳴が上がっています。

武村周児さんが経営するビルメンテナンス会社「沖縄美装管理」では、従来から時給1023円を上回る水準で雇用していて、今回の引き上げを機に金額を改める必要はありませんでした。

しかしこのままでは人材が競合他社に流れてしまうため、ベースアップを図るための新たな人件費を確保する必要があるといいます。

国は、賃上げに取り組む企業に助成金を出していますが「最低賃金を下回っていること」という条件があり、以前から今回の最低賃金を上回って雇用している中小企業には当てはまりません。

こうした実態にあった行政のサポートなどを求める声もあるなか、新たな最低賃金がスタートしています。