「東11丁目」は「時代の境目」だった

札幌建築鑑賞会 杉浦正人代表
「ひと言で言うと、ここが“時代の境目”と言える、古い時代と新しい時代が、ぶつかり合っている場所、それが原因だと言えます」

「時代の境目」…
それは、かつて現在の東区エリアにあった「札幌村」に深く関わる。
当時「札幌村」では、独自の基準で区画が進められていた。

しかし、1934年…昭和9年のことだ。
「札幌村」の一部が、札幌市に編入されることに…。
その際、一つの問題が持ち上がった。

通称“ナナメ通り”と呼ばれる、道道273号線の存在である。

札幌建築鑑賞会 杉浦正人代表
「もともと北13条より南側は、今は通称『ナナメ通り』と言われている道、この斜めの道に沿って、細く短冊状に“地割（＝地番づけなど）”されている」

今から143年前、明治15年（1882年）の「札幌村」の地図。
北13条付近の区画は、ナナメ通りを基準に並んでいる。

今も当時の名残が区画にはあるものの、環状通を挟んだ北側だけが、碁盤の目に…。
旧来のナナメ通りの区画と、札幌市の“碁盤の目”―。

札幌建築鑑賞会 杉浦正人代表
「ここがぶつかっているので、つじつま合わせのため、一つ削らざるを得なかった」

どういうことなのか？

札幌建築鑑賞会 杉浦正人代表
「ここを仮に11丁目として、北も11丁目にすると、今度は13丁目との間の、12丁目を削らざるを得なくなる、結局、どこかで一つを削らざるを得ない」

無理に「11丁目」を作れば、「12丁目」が消える。
どうしても「11丁目」とするスペースが確保できなかった…。
ところが、もう一つ「北13条」を巡って、意外な事実も…。