以前はできていた「食事」も徐々に難しく…

香乃ちゃんはいま、小学1年生。私と出会ったとき「何歳?」「名前は?」という簡単な問いに答えることはなかった。ひたすら私を見つめ、手をたたいていた。

その手には絆創膏が貼ってあったが、手が傷ついても、手をたたく行為は止められないのだ。痛さよりも優先される不随意運動。

両親に聞くと、2歳を過ぎた頃から徐々に「レット症候群」特有の行動が現れ始め、程なくして食事も一人ではできなくなった。

一番悲しいのは「パパ、ママ」と呼んでくれなくなったこと。ただ、それでも「パパとママを認識してくれていると信じています」と話してくれた。