JR四国が、2025年4月から愛媛県西条市内で陸上養殖しているサーモンのブランド名が「サイモン」に決まりました。12月中旬の初出荷を予定しています。

JR四国は、鉄道事業以外での収益確保を目指す中、今年4月から西条市内で名水として名高い地元の地下水、「うちぬき」を利用したサーモンの陸上養殖を行っていて、およそ4700匹を育てています。

命名式では、全国から寄せられた2200件の応募の中から「サイモン」や「西条うちぬきサーモン」、など4つの候補に絞って一般投票が行われた結果、西条とサーモンを掛け合わせた「サイモン」に決まりました。

JR四国によりますとサーモンの生育は順調で、さっぱりとした甘みの肉質に仕上がっているということです。

この「サイモン」、来月中旬に初出荷を予定していて、2キロ前後まで育ったおよそ750匹が県内の飲食店などに提供されることになっています。

◇◇以下スタジオ解説◇◇

鉄道事業以外での収益確保を目指すJR四国は、ことし3月には、四国で事業を展開する医療機器商社の株式を一部取得し子会社化したほか、岡山駅周辺で進められている再開発事業に合わせてホテル出店も計画するなど、多角化を進めています。

JR各社の動向について全国的に見てますと、それぞれに特色があります。
まずこちら、ドル箱の東海道新幹線を運用していて、さらにはリニア中央新幹線の開業も目指すJR東海は、売り上げのおよそ8割を本業である鉄道収益が占めています。

一方で、東京と大阪に拠点を置くJR東日本と西日本の場合、鉄道以外の収益率の割合が上昇し、およそ4割程度。巨大都市圏で運営する商業施設などのもたらす利益が大きいことが、その要因のひとつとなっています。

JR九州の場合は、その傾向はさらに顕著で、売り上げのおよそ6割を不動産など鉄道以外の収益が占めています。民営化当初は経営の先行きに不透明感があるといわれていましたが、積極的な多角化が成功したといわれています。

JR各社では、鉄道の利用者が減少傾向にある中で、本業以外での収益確保に向けた取り組みを進めています。
四国で始まった養殖事業には全国からも注目が集まっていて、今後の展開に期待が寄せられます。