変異ウイルス“サブクレードK” 国内でも確認

インフルエンザの感染状況は深刻です。厚生労働省によりますと、全国の感染者の数は13週連続で増加し、11月10日~16日までの1週間の感染者数は、1医療機関あたり「37.73人」と前の週の約1.7倍に増え、警報レベルの「30人」を超えています。

都内の小児クリニック。患者の子どもらに多くみられるのが…

クリニックばんびぃに 時田章史院長
「(患者は)ほとんどがインフルエンザのA型」

今季、流行の中心となっているとみられるインフルエンザの「A型」。高熱や頭痛、全身の倦怠感などの症状が現れます。

この「A型」の新たな変異ウイルスが国内で確認され、感染拡大に関係している可能性が指摘されています。

「サブクレードK」と呼ばれる変異ウイルスで、国立健康危機管理研究機構による患者の解析では、13検体のうち大半の12検体が、この変異ウイルスだったといいます。

サブクレードKはイギリスで流行しているとされ、現地の大手紙・ガーディアンは、「この冬、10年に1度の規模で大流行する恐れがある」と伝えています。

この変異ウイルスについて、専門家は…

東京歯科大学 寺嶋毅教授
「ワクチンで予想していた株とは形が変わっている。ワクチンを接種したことや、これまで感染したことによりできている抗体が、少し効きにくい可能性がある」

一方で、ワクチンの効果については…

寺嶋教授
「効果が少し落ちるのでは、重症化しやすくなるのでは、と懸念されるが、今のところすごく落ちているということはない。効果はゼロになったわけではない。ワクチン接種は薦められると思う」