5年前、首都高湾岸線で時速268キロのポルシェで乗用車に追突し、夫婦を死亡させた罪に問われた男の初公判で検察側は男が「助手席の長男に車の性能を見せて驚かせようと考えていた」と指摘しました。

黒いジャンパーを頭からかぶった男。危険運転致死の罪に問われている彦田嘉之被告(55)です。

2020年8月、彦田被告は、川崎市の首都高湾岸線で高級車のポルシェを運転し、時速およそ200キロから268キロで走行。車線変更した際に、内山仁さん(70)と妻の美由紀さん(63)が乗る乗用車に追突し、2人は死亡しました。

きょう横浜地裁で開かれた初公判で彦田被告は、「私の大幅な速度超過で大変な事故を起こしてしまい、申し訳ありません」と謝罪したうえで、起訴内容を一部否認しました。

彦田嘉之被告
「制御困難な進行をしたことはありませんし、妨害目的で走行した事実はありません」

事故当時、彦田被告が運転するポルシェには19歳の長男も乗っていて、検察側は冒頭陳述でスピードを出した理由について次のように指摘しました。

検察
「助手席の長男に車の性能を見せて驚かせようと考えていた」

一方、弁護側は「事故当時、安定して走行できていた」として、過失運転致死罪にとどまると主張しました。

判決は来年1月に言い渡されます。